最高のお菓子をお客様へ。
それは1964年の創業以来、変わることのない想いです。 夙川の街とともに時を刻んで半世紀。 職人自らが厳選した素材を使い、ひとつひとつ丁寧に作り上げる。 当たり前だけど大切なことを、夙川の地に店を構えてから今日まで真摯に続けてまいりました。 それは明日からも。 時代が変わっても、皆さまから末永く愛されるお店をめざし、変わらぬ美味しさをお届けします。
クッキーのエルベラン
エルベランのオンラインショップにて 本当に美味しいお菓子たちが あなたの「ありがとう」を伝えるお手伝いをします。
2024.12.9
2024.12.1
2024.11.1
※売り切れ次第閉店とさせていただきます。 ※12時~13時はお昼休みをいただきます。 ※繁忙期は11時30分に整理券を配布します。券をお持ちになり入店お願いいたします。 ※営業日時は変動する場合がございます。最新情報はカレンダーにてご確認ください。
生クリームのエルベラン
私が、当たり前のよう思っていたケーキの味 … でもそれは当たり前ではなく、 誰もが思わず「美味しい」と言ってしまう とびきりの味だったのです。 私、柿田衛二は洋菓子店の次男坊として生を受けました。幼い頃よりケーキがあるのが当たり前の暮らし、どちらかと言えば、すぐにもらえるケーキより買ってもらえる和菓子の方が好きな子供でした。だからお店に来るお客さんが父と話している時に、「うちの子ね、エルベさんの生クリームだけは食べられるんよ」という言葉が不思議でした。しかし、大学を卒業し飛び込んだケーキ業界で、私は今まで自分の食べていた味がふつうではなく、特別なものだと気が付きました。ふつうのケーキ屋では、こんなとびきりの材料ばかりでケーキなんて作れない、とてもじゃないけど原価が合わない。はじめてそう知ったからです。エルベランは当時の業界から見てもふつうの店ではありませんでした。 当店は「北欧の銘菓エルベ」として昭和39年(1964年)、先代 柿田 衛、芙佐子により西宮市常盤町にて創業、神戸洋菓子業界ではまだ珍しい工房型洋菓子店として産声を上げました。その後、昭和45年(1970年)、阪急夙川(しゅくがわ)駅北側に広がる高級住宅街に縁あって移転し、現在の地にて店を構えることとなりました。当時は、店の前が1車線で両側を大きなお屋敷の生け垣が囲んでいたそうです。 時代はバタークリーム全盛期、甘くてどっしりとしたケーキが主流の中、先代が皆さんにその美味しさを是非知っていただきたいと選んだのが、ノンホモの生クリームを使ったくちどけの軽いショートケーキでした。日本で一番美味しいと言われる鳥取県白バラ乳業の牛乳から作られる、真っ白でミルクの香りたっぷりの生クリームを使ったケーキはまだ珍しく、美味しいものを知り尽くした夙川の皆さまに大変喜んでいただけたそうです。 その後屋号を「エルベラン」に改め、2011年には2代目へと代替わりをして現在まで半世紀。このお店でお客様をお迎えして50年以上の間には、多くの素晴らしい出逢いがありました。 毎週のようにご来店いただき、決まってパルミエを買ってくださる男性のお客様、いつも厨房の入り口から大きく手招きをして美味しい差し入れとスタッフへの労いのお言葉をかけて頂きありがとうございます。 お母様のスカートの後ろに隠れられて恥ずかしそうにいつもお店に来られていた小さな可愛いお嬢さん。先代がクッキーの袋を無造作にビリっと開けて差し出すと飛び出してきて美味しそうに頬張っていらっしゃいました。そんなお子様がやがて高校生になり、お父様、お母様の勧めで社会勉強にと当店でクリスマスのアルバイトをされた時には、イチゴを切ったり、ケーキの飾りつけをして箱に詰めて運んだりと本当によく働いてくださいました。そんな彼女もやがて結婚。最高に幸せな場面にもエルベランのクッキーを引菓子としてそばに置かせて頂きました。そして、今はすっかり大きくなり背が並んだ娘さんと一緒にお買い物に来られています。 お付の運転手の方や、家政婦さんの手を借りずにいつもしっかりした足取りでご来店し、先代に「いろいろ他所で買ったけどここが一番美味しいわ。」と颯爽とお買い物をされる98歳になられる女性のお客様もいらっしゃいます。
また、55年前、まだオープンして間もない頃、初めてデコレーションケーキをご注文してくださり、以来ずっとエルベランでバースデーケーキを買ってくださっているお客様。つい先日もお孫さんのためにご来店頂きありがとうございました。 このようにお客様と共に過ごさせて頂いた時間をここに書き尽くすことは到底できませんが、お一人お一人のお姿は、強く私たちの心に焼き付いております。 残念なことに、近頃の洋菓子業界では、混ぜ物なしの純粋な生クリームのケーキを食べられるお店がどんどんと減りつつあります。生クリームをうたいながらも、植物油脂の混ざったクリームが増え、お子さんの生クリーム嫌いにつながっている現状を見るにつけ、私たちは心を痛めております。半世紀を経ても美味しいと言っていただける生クリームのお菓子たち。日本の洋菓子文化が育んだ本物の「洋菓子」にはそれだけの魅力がある。私たちが、パティスリーと名乗らないのは日本の洋菓子に誇りを持っているからです。そして、私たちには本当の美味しさを分かってくださるお客様と、信じてくれているスタッフがいる限り、美味しい生クリームのお菓子を今日もつくりつづけていきます。あなたのお子さんが、そのお子さんに「やっぱり生クリームって美味しいね」と言えるその日のために。 あなたも生クリームのエルベランを是非ご体験くださいませ。