「あー、二代目さんはいいよね」

オーナーパティシエ・柿田衛二

こんにちは「いつもいい素材 ずっといい笑顔」エルベランの柿田です。
この仕事をしていると「二代目さんはいいよね~」と言われたりすることがあります。
地盤があって、人気商品があって、お店もあって良い事づくしに見えるというわけです。
ひょっとしたらうちのスタッフにもそう思っている人がいるかもしれませんね。
二代目の商売は自分が開業するにはあまり役に立たないんじゃないかと。
普通そういわれると楽してるみたいに思われているのかと心外になり腹を立てるところかもしれませんが僕は違います。
それこそ最高の誉め言葉だからです。
2011年二代目オーナーシェフ就任以来、普通のケーキ屋さんの常識とは違ったアプローチで経営を進めてきました。
クッキーデ一を設け、従業員の休日を増やしたり、コミュニケーションの向上のためにスタッフだけではなく業者さんや来賓の方を巻き込んで全員入店するときはグータッチするエルベランフレンドリーシップメンバー制を作ったり、考え付くことは何でもしてきました。
そう言ったいろいろの取り組みができる事自体「しっかりした店の基盤があるからだ、余裕がないとそんなこと出来ないじゃないか」と思われることも多々あります。
そう、その通りです。
ただし正確に言うと、基盤があるから取リ組めるのではあリません。
い<ら基盤があっても有効に利用しなければ重荷なだけで、最大限有効活用するからこそ傍から見て羨ましく見えるものなのです。
だから「二代目は良いね~」と言われるという事は、僕がエルベランの良いところを最大限に活用できているという事です。
もし活用に失敗していたら「やっぱり二代目はだめだよね」と言うでしょう?
お店の良いところを引き出し、有効に活用し、さらに良くしていく。
これは、一代目でも、二代目でも、例え五代目でも一緒だと思うのです。
ケーキ屋さんの二代目は先代とは全く違う路線を歩まれる方も多く、洋菓子店からパティスリーに代わってしまうお店も少なくありません。
フランス菓子を作リたい売りたい、売りやすい当然既存の洋菓子がショ一ケ一スに入るとイメージが崩れるからやめる。
それはそれでOK。
うちはと言うと、リニュ一アルの時にパティスリーとはつけないで洋菓子屋さんで行こうと決め、商品構成も7割は元からある商品、しかもケーキの6割は50年前からあるもはや伝統菓子です。
普通このラインナップを強みと言うお店はなかなか無いと思います。
何故なら日本でケーキを食べるという習慣はまだ浅く、50年、100年と残り続けた歴史を持つ洋菓子が巷に多くはないからです。
だから、チャレンジする人も機会も当然少ない。
幸いにも僕はそのチャンスに恵まれました。
だったら思いっきりその良さを強みに変えて頑張ってみようじゃないか!
こうして生まれたのが現在のエルベランのスタイルです。
そして「二代目って良いよね~」と言われたら、「そうでしょう!」と、にっこり笑って返すのです。

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